動物トレーニング論
ちょっと、当たり前の話をします。 人間は、大人になるほど保守派になるっていいます。動物から考えるとよくわかります。動物が保守派になるのは、「過去の行動記録は全て、今、こうして生きていられる理由だから」だと考えるとわかりやすいと思います。 新…
よくある話ですが、例えば電車の中で騒ぐ子供がいるとします。 近くにいる大人のおじさんが、イヤそうな顔をして「えへん!」と咳払いをします。それに気づいた子供の母親が言います。「ほら、オジちゃんが怒っているでしょ。叱られるからこっちに来なさい。…
犬は群れの生き物だから、リーダーに従う習性を持っている・・・基本ですよね。でもこれは、私に言わせると第一法則です。第二法則もあるはずです。 第一法則 群れの敗北は自分の敗北だから、強いリーダーがいたら、従わないといけない。 第二法則 群れの中…
子育て論で良く聞くのが「子供は、親の言うことを聞くのではなく、親の行動をまねる」ということ。耳が痛いですね、もう。 だからこれは、置いときます。 今回の内容は「犬は、飼い主の言うことを聞くのではなく、テンションをまねる」これが私の仮説です。 …
コマンドの前の間合いについて。「位置について、よーい、どん!」というコマンド(?)がありますよね。この「よーい」を、「マテ」のことだと勘違いしがちです。 多分ですが、上級者はみんな「マテ、準備して、行け!」だとわかっています。初級者は「マテ…
前回の補足です。コマンド(合図)を言う前に、自分に注目させることは大切です。だからまず、コマンドの前に名前を呼んだりしますね。というか、名前もコマンドです。そう思った方が訓練は上手くいきます。 ただし名前は、人によって、又は場合によって意味…
昔々、ソニーのウォークマンのCMに出ていた「ブッシュマン」を覚えておられる方っていますか?固有名詞では「ニカウさん」。 カラハリ砂漠の先住民族です。「ブッシュマン」という名称が差別用語にあたるので「コイサンマン」と名前が変わったりしましたが、…
仕事がら、たまに犬のしつけ相談を受けることがあります。 「うちのワンちゃんはよその犬が苦手です。散歩中に他の犬にすれ違おうものなら大変なことになっちゃうんです。くってかかってしまって、どうしても治らないんですよ。」 いろんな原因が考えられは…
私の大好きな本の一つ、「馬と話す男」 動物の(馬の)ささやきが聞こえるという、「ホースウィスパラー」という言葉は、この本がきっかけで知りました。 この本の著者、モンティ=ロバーツさんは、丸い柵の中にいる全く訓練未経験の馬を、一時間くらいで馴…
クリッカーは時として(又は人によって)、すごく役に立つことがあります。 そのうちの1つは、感情とテンションを切り離せるということ。 動物訓練で、大きい声でハッキリ合図を出そうとすると、無意識で怒った声になっちゃったり、小さい声にすると、甘やか…
これは行動分析学と言えるのかどうかわかりませんが、オオカミの、子どもの叱り方がすごいんです。「オオカミと暮らす」だったか、何の本に書いてあったのか忘れちゃいましたし、記憶違いもあるかも知れませんので、私の作ったおとぎ話と思っていただいても…
前回の続きです。 ビールが報酬だすると、缶ビールを開けた時の「カシュッ!」という音も、大抵の人は好きになります。 これを元に以下、創作エッセイを書きます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「こんにちは。ペンネーム『仕事中毒』と言います。結婚していますが、…
前回の続きです。 ペンギンに、モニターをつつかせる方法。「オペラント条件付け」というテクニックを使います。行動分析学と言えば範囲が広すぎるので、ほとんど動物行動分析学の実践と言えばこの「オペラント条件付け」のことを指していると言ってもいいで…
ペンギンに線の長い短いを知る能力があるかを、どうやって調べるか? 行動分析学の実際の実験は、多分こんな感じです。 まず、外部環境に左右されないために、小さな実験室を作ります。できるだけ情報のないシンプルな部屋がいいです。刑事番組とかでよくあ…
「行動分析学」って、何かとっつきづらい感じがします。ローレンツの「動物行動学」の方が、物語としても読めるし、よほど好感が持てます。 そもそも「行動分析学」という言葉が、実際に動物を扱っている人の中でもまだまだマイナーです。多分、動物ではなく…
動物トレーニングに興味がある方にお勧めするのが「上手くやるための強化の原理」という本です。わざわざ私がお勧めするほどではないくらい、動物訓練業界では有名な本です。 オペラントトレーニングについていろいろ書いていこうと思いますが、この本を一冊…
動物訓練に「こうすれば絶対うまくいく」、なんて必勝法はないはずです。だって、人間が長い間、全人類挙げて子供を育ててきて、まだ子育ての必勝法すらないんですから。自分と相手の組み合わせも、無限の数だけあります。 だから、動物トレーナーが100人い…
犬との引っぱりっこ遊びで、熱くなってお互いにぐいぐいと楽しくひっぱりあった後、軽く冷静な「はなせ」のコマンドで犬からひっぱりおもちゃを回収することが出来ると、周りから尊敬されます。それが初対面のワンちゃんだったりすると、その飼い主さんから…
前回に続き、ひっぱりっこの話題を、もう少しひっぱります(これはおやじギャグではありません。ユーモアと言ってください)。 ひっぱりっこを、お勧めするかしないか。犬のトレーニング本の中には、「しない方がいい」と書いてあるものもあるし、「してもい…
犬の基礎トレーニングで私がけっこう重要視しているのは、ロープなどで行う「ひっぱりっこ遊び」です。 これは私だけの考え方かもしれませんが、犬は服従心があるほど遠慮がちになっちゃいます。特に、ものをくわえさせる訓練の時に感じます。どうも犬は、飼…
マニアック動物トレーニング論。 今回は、以前の「心のリミッター解除!」の補足のような内容です。 私の中の当然の常識として、表題の「初心者と達人は似ているの法則」があります。これはもう、誰かに聞いたのか、自分で思いついたのかわからないくらいで…
人前で動物を褒めるって、最初はなかなか照れるものです。それこそムツゴロウさん流の「よしよしよしよーし、お前はいい子だね。ちゅう!」なんて。アルソック体操の方がまだましだというくらい気恥ずかしいものです。 出る杭は打たれる人間社会で生活してい…