犬のしつけ相談に対する不明確な解答
仕事がら、たまに犬のしつけ相談を受けることがあります。
「うちのワンちゃんはよその犬が苦手です。散歩中に他の犬にすれ違おうものなら大変なことになっちゃうんです。くってかかってしまって、どうしても治らないんですよ。」
いろんな原因が考えられはします。
でもまずは、こう言いたいのですが我慢します。
「そりゃ、治りません。だって、どうしても治らないって、自分で言っちゃってますもの。」
犬は、飼い主さんのそういう心情まで読み取ってしまう、もはや超能力レベルに近いくらいに人を好きなんだと思っています。
動物と話せる人の本を見た時、ある動物コミュニケーターは「いくら人間がペットのワンちゃんのこと大好きと言っても、絶対にペットが飼い主のことを好きな気持ちにはかないません」と書いていました。これは共感できます。
以下は、たとえ話です。
その飼い主さんが、朝の犬のお散歩をするとします。
犬は上機嫌で、それこそ道草の匂いを嗅ぎながら歩いています。
すると飼い主さんは、20メートルも前から他の犬が散歩しているのを発見します。
あまり風のない日です。人間の方が目線が高いですし、この時点ではまだ、犬同士は相手に気づいていません。
でも、飼い主さんの態度が何か変わったのを犬は敏感に感じます。
「あれ?この人、急にビビり始めた。何か変わったことでもあるのかな。」
犬がそう思い始めたら、しばらくして別の犬が前からやってきます。
「ああ、この人がビビったのは、このせいか。大丈夫だよ。おれが追い払ってやるから。ウー、ワン!あっちいけ!」
かくして飼い主さんは、また吠えさせちゃったと自信をなくしていくのです。
結局、他の犬どうこうもありますが、飼い主さんの自信が大切なんですね。
あくまでたとえ話です。
でもどうやら、飼い主さんの不安が犬に伝わるのは間違いないようです。
「あなたの犬は幸せですか?」という本があります。
シーザーミランという世界的に有名なドッグトレーナーが書いた本です。(「さすらいのドッグトレーナー」という番組が衛星放送であったそうですが、我が家は地上波のみです。)
犬の改善が困難な問題行動の大半は、飼い主さんの自信不足と犬の運動不足に原因がある、というような内容の本です。
ただし、「吠えかかったらどうしよう」と心配する人の方が、「うちの犬はおとなしいけん、大丈夫」と言いながらノーリードで街中を歩き、さらにはそのままホームセンターとかのお店の中に入っていく人より100倍ましです。
さて、久しぶりにあきらめずに脳内会話*1でハチローに聞いてみました。
私「かくかくしかじかだけど、どう?」
ハチロー「うん。あってます。だからおなかこわすとか心配しないで、ドッグフード、袋ごと下さい。」
*1:別名、妄想とも言います。