動物トレーニング論 しつけは形から入る。動物には既成事実が最も大事だから。
久しぶりの動物トレーニング論です。
犬に服従心を持たせたい時は、以前も書いたと思いますが、アゴまで完全につけさせるフセを教えることは重要だと思っています。
これはまあ、人間に例えたら、土下座をさせることとほぼ同じだと考えていいのではないかと思います。土下座は例えとしてはイメージが悪いですが、まあ服従の象徴です。
このくらいで勘弁して。ダメ?こんなに可愛くていじらしいのに?
(モデル:豆柴ゴンちゃん。)
豊臣秀吉が織田信長亡き後で、家臣たちの小競り合いを見事に制しました。
これは秀吉が信長亡き後、家臣たちが集まっている会議に席に信長の子供を抱っこして登場し、「このお子様こそ総大将で、私はその摂政である。ほら、皆の者、何しておる。お子様に頭を下げんか!」と言って秀吉自身に頭を下げさせるよう、形から入って既成事実を作ったのが大きいですね。
私がこれを見たのは、本宮ひろ志のマンガのワンシーンでしたがね。
いや、実際はそういう場面があったかどうか知りません。が、漫画のそのシーンを見た時は、まさにこれが服従訓練だって思いました。
服従するからフセるのではなく、フセさせるから服従するんですね。
これも私見ですよ。
だから、やっぱり動物訓練って、きれいごとじゃないんです。
結局、まだ服従していない動物に対して服従を強いるってことですから。
だけど、群れの生き物の犬は、服従する相手がいる方が精神的に落ちつくんですね。
これはもう書いたことがあったかどうか、犬にとってのこの世の中は、試してみないと自分の強さが分らないんです。自分が史上最強の生き物だという可能性だってあるのですから。これは、人間にも言えますね。
尾崎豊さんの「卒業」じゃないけど、「自分が、どれだけ強いか知りたかった」だけなんです。だから、試したり反抗したりと自分がこの世の中でどれだけ自由がきくかやってみたい。
それに対して飼い主側は、快傑ズバットのようなセリフを言ってのけないといけないんです。「少なくともお前は、日本じゃあ2番目だ。1番は、って? この俺さ」
試される前に、自分より強い者がいるってことは分からせた方が色んな被害が少ないですよね。当たり前ですが、言葉がない世界って、行動しかないです。行動は形です。だからしつけは形から入ります。
※ただし、私は対人間となるとからっきしのヘタレです(泣)。