動物トレーニング論 黄色信号は止まれか、行けか?
動物に対して、合図を出せば出すほど空回りしちゃって、逆のことをされることがあります。これもイメージの話なのですが、黄色信号は果たして、必要なのかどうかという問題とそっくりです。
マナーの悪いドライバーは、黄色信号は「止まれ」だと知っているのに、逆に加速したりします。これが癖になると、最終的には赤でさえ加速するようになります。
いわゆる「ぶっちぎる」という状態ですね。
同じように、意思がはっきりと伝わらない中途半端な合図を出すと、かえって動物側は「止まれ」なのにアクセルを踏んじゃうことがあるし、「行け」なのに急に赤になることを怖がって進みたがらなくなったりするんです。
だから、合図を出せば出すほどいうことを聞かなくなるという現象が生まれます。
動物にとって迷うという状態は最悪なので、常にどちらかの判断をしているのです。保留は、ありえません。交差点内で停まることだけは絶対に避けないといけないと分かっているのです。固まっちゃうと、ひかれちゃいます。
分水嶺という言葉をご存知でしょうか。主に山の頂上の尾根のことで、雨水が流れる方向はどちらかに決まったらもう後戻りはできません。
ほんの5センチの差で、その雨水が日本海に落ちるか、太平洋に流れるかの大きな差になるということです。
だから、どんなに努力しても、その行かせたい方向の分水嶺にほんの僅か届かないだけで、ボロボロの逆戻りになってしまうんですね。
動物やシュチュエーションによっても差があるでしょうが、そのほんの少しの差がとんでもない開きになるので、絶対に譲れないポイントを見極めることが大切です。
・・・これ、もしかして人生論ですかね?