ちょっと遅い阿蘇山上初詣は、噴煙が高い日でした
年明けの最初の休園日には阿蘇山上の西巌殿寺と阿蘇神社に初もうでに行こうと決めていました。すると、その日の午前10:30頃に、噴煙が1300mくらいまで上がったとテレビで報じているのを目にしました。付近の地域は降灰に注意とのことでした。
久しぶりにテレビで見た火山灰情報でしたが、予定は変えずに普通に出かけちゃいました。地元での感覚はまあ、そんなものです。
行きがけに、いつも気になっていた勝負神社といわれる藤谷神社に立ち寄りましたが、これは後日に回します。
草千里を一望出来る無料駐車場というか撮影スポットまで上ると、迫力の噴煙と、幾分火山灰色に染まった風景が見えてきました。
今回一番気に入った噴煙写真。これは、ロープウエイ乗り場と草千里の中間くらいの道からの風景です。
草千里の景色。雲と噴煙の対照がきれいでした。
平日ということもあるのでしょうが、やはり人気は少なめです。ときおり海外からの観光バスツアーが来て、にぎやかな写真撮影会場となります。
このような条件の中でわざわざ来る人は、もともと旅行を予定していた遠方から来る人はほとんどのようです。
年末にはなかった、硫黄の結晶を売っている露店を久しぶりに見ました。
露天商の方が普通にいるというのもやはり、地元感覚です。
昔の記憶では、山上のそこかしこで売っていた硫黄の結晶は、海外産だったように思うのですが、本当に阿蘇山で採れたものだというので、ひとかけら衝動買いをしました。
さて、ロープウエイ乗り場付近の駐車場まで上がると、火山灰にびっくりしました。降っていることは気にならない程度なのに、足跡がつくくらいに積もっています。
西巌殿寺の前には、和服を着た年配の女性がお二人ほどいらっしゃいます。初詣の先客だろうと思いながら順番待ちをしていると、おみくじとかの備品を片づけているようです。どうやら、お寺の方のようです。
これはラッキーとばかりに話しかけました。
「あの、こちらのお寺の方ですか?この中には十一面観音様は安置されているのでしょうか。中を拝見することって、できないんですよね。」
(ちなみに「できないんですよね。」は、熊本特有の方言というか、いいまわしです。正確には、「でけんとでしょ?」と言わないといけないのですが。ホームセンターとかのお店で何か欲しいものを尋ねるとき、「OOは、なかでしょ?(ありませんよね?)」となります。)
残念ながら、ご本尊は今、福岡の博覧会に出張されているらしいとのことでしたが、代わりに祭壇に写真が祭られており、見せていただくことができました。
初めて見る十一面観音さま
西巌殿寺の関係者の方々がどのくらいの頻度でここまで登って来られるのかはわかりませんが、たまたまテレビで同じニュースを見て、灰が心配になっていらしたのでしょう。今日のこのタイミングでなかったら、写真も見ることができなかったはずです。
今年はついている予感です。
もちろん、阿蘇神社もお参りしました。
神社から煙が出ている訳ではありません。
今のところ、一番火口を近くで見れるのは、この神社の境内からでしょう。
もう、ずっと眺めていたくなりました。
余談ですが。
これまでに降った灰を駐車場の一角に集めているようです。
すごい量です。
カドリー周辺では、噴煙はと不釣り合いなくらいに、降灰が少ないです。
地元のみなさんの当り前の認識として、「阿蘇谷*1では、火山灰は夏にやってくるもの」というのがあることを最近になって知りました。もう20年以上もこの地にお世話になっていながら、そういう常識があるとは知りませんでした。
桜島と鹿児島市内も同じ関係にあるそうです。
これらの地域では、火山灰は南風とともにやってくるんですね。また一つ、勉強になりました。