ダブルキャストとスピンオフショーの野望
以前、アニマリュージョン!では将来に向けてダブルキャスト(一つの役を複数の人が演じる。簡単に言うと代役がいるということ)化を進めていると書いたと思います。
そのダブルキャストが、水面下で進んできているんです。まだ今は、音響係やスポットライト係くらいしかできていませんが、演者の配役交換の練習も少しずつ進んでいます。
とにかく現状、演者の一人が欠けてもショーができないというリスクが一番問題です。だから一部内容を変更(またはカット)することで、どの一人が欠けても成立するショーを作っていかねばなりません。
しかし、犬や鳥や小動物のパフォーマンスはいいとしても、クマのトレーナーとなるとダブルキャストはほとんど不可能です。
そこで、クマのトレーナーが欠けてもショーを成立させるという矛盾を解決する方法が、クマが出てこないアニマリュージョン!ショーのバリエーションづくりです。
「スピンオフ」といえば、映画やマンガなどの物語で主人公以外の脇役にスポットをあててみたり、主人公の若い頃を舞台設定にしたりという、いわゆる「外伝」という意味ですね。
クマが出ない時には、犬たちの出番と芸を増やす考えです。そしてもともとアニマリュージョン!には様々な鳥たちが登場しますから、名付けて「アニマリュージョン!スピンオフ ドッグ&バードショー」です。
その実現にむけて現在、犬たちと様々な練習をしているのです。
日本の常駐ステージで、クマがショーに出てくる施設はとても珍しい部類です。
それがアニマリュージョン!のセールスポイントでもあるわけですが、そのクマが出てこないショーで、どこまで好評を得ることができるか。失望の方が大きくて、「やらない方がまし」となるのかどうか。そこを、あえて挑戦したいんです。
かつて私はクマのショーのトレーナーでした。
犬やニホンザルのトレーナーも兼任していて、どの動物もやりがいも学びも大きかったように思います。しかし、クマ以外の動物しか担当していない後輩トレーナーの何人かはこういいました。「結局、どんなにがんばってもクマのトレーナーが花形で、くま牧場(当時)なのにクマじゃない動物でショーをするってのは報われませんよ。」と。そう言い残して、辞めていきました。
私は、そうとばかりは言えないと思っています。クサい言い方をすれば、与えられた環境、与えられた動物で(もちろん努力で勝ち取ったそれらでもありますが)いかに輝けるかが大切なのではないかということです。
そんなこともありつつ、ショーは週休2日でもメンバーの週休2日には程遠い今の体制を、将来的にはせめてショーは週1回程度の休みで、メンバーは2週間で3日くらいの休みがとれる形にしていくのが「ウィンウィン」かなと思うわけです。
世の中には、自営業などで火曜だけとか、水曜だけしか休めない方がいらっしゃるでしょう。そういう方からしたらずいぶん恵まれている私たちが、その日しか休みがない方たちに向けてショーが提供できたら、うれしいことです。
まあ、そんなわけで、はっきり完成予定は言えないのですが、7月くらいにはこのスピンオフバージョンの完成目標で考えています。
このところ犬たちの練習の話題が多いですが、今のアニマリュージョン!にそのまま演目を増やすと一時間近いショーになってしまいますから、バリエーションを増やすための練習をしているのです。
スピンオフがどの程度の頻度で行われるかは全く未定なところですが、犬たちのスキルが上がっていくのは本当にワクワクします。これを独り占めしちゃもったいないので、たまに紹介している次第です。
こういう配置にしたいのですが、ハチローが乗る台を作り忘れてました。
野望の実現は、まだまだですね。