ASO田空10 「長善坊の公孫樹」に行ってみた(ASO田園空間博物館サテライト10)
大きな木は好きです。だから地元の散策地図で、西巌殿寺の近くに大きなイチョウの木があるらしいことは気になっていました。
しかしクルマだと入れないような路地にあるようだし、手頃な駐車場もなさそうなので周辺は通りかかるものの、ついついスルーしてきました。
本来ここは、田園空間博物館の発信基地である、阿蘇駅前の「道の駅阿蘇」からのんびりと歩くのが一番でしょうね。サテライト散策という、いくつかのポイントを見ながらさるく(阿蘇の方言で歩く)、お勧めコースのお手本のようなところです。ただ、私はいつも気ままに出向くのでサテライト散策のパンフレットは持っていません。逆に「ここはコースだろうな」と推測する楽しみもあるので、いつか入手して答え合わせをしたいと思います。
で、その、紅葉シーズンに申し訳ないのですが、ここを訪れたのは確か9月でした。
道の真ん中に突如現れる大きな木、それが長善坊の公孫樹です。
かの加藤清正が長善坊を訪れた時、この木に馬をつないだそうです。
今の大きな幹回りでは綱をぐるっと渡すのも大変そうですから、当時はもっとかわいい若木だったのでしょうね。
何で加藤清正が長善坊を訪れたかというと、修験術でここから朝鮮に矢を飛ばして、出兵中の清正の危機を救った人がいるという逸話があるのですって。清正公はその坊の存在を知らなかったけど、その矢に長善坊と書いてあったから、真偽のほどを確かめに来た時に馬をつないだと。
神話の時代ではなく、加藤清正の時代でですよ。陰陽師とか密教とか修験道って、あなどれませんね。
(まあ動物トレーナー的には、虎を退治したという加藤清正もあなどれませんが。)
公孫樹があるここ坊中は、昔は修験道の坊が36坊あったことからその名がついたそうです。36坊って、私の世代では懐かしい少林寺36坊と同じ数ですが、何かの法則があるのですかね。マニア心をくすぐられます。
まさに神秘の土地、阿蘇。建物はほとんど残っていませんが、この辺りはいたる所に「何々坊の跡」の立札があるんです。
修験道者に思いを馳せながら、アスファルトではなく敷石で整備されたきれいな道を歩いて、いや、さるいてみるにはいいコースだと思います。
ちょうど秋の紅葉シーズン。
今、ここを歩くべきなのは、キミだ!
(修験術であなたを指さしましたが、届きましたか?)
※後日談。さすがに気になって11月6日の夕方にここを訪れましたが、まだ葉っぱは黄緑でした。木は、元気なほど紅葉が遅くなる傾向があるように思います。