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Mr.トーマのアニマリュージョン!ブログ

アニマリュージョン!は熊本県阿蘇のカドリー・ドミニオンで行われているファンタジックアニマルショーです。このブログではショーだけに関わらず、広く地域情報や動物訓練に関しての話題を提供しております。

ペンギン訓練の思い出 その11 「イケ(マエ)」の行動形成はちょっと原始的

さて、ここまでしばらく前置き的な説明が長くなりました。

烏合の衆のペンギンに、とりあえずパイロンまで歩かせるという行動形成のお話。

トレーナーから見て右側にパイロンがあるとします。

また細かいことを言いますが、ここから先の「半歩」というのは片足だけの一歩です。

①これまでお話した基点作りの動きで、左足、右足、左足の順で一歩半下がる。

 (これはオイデを大げさに意識させるためで、後でカットする動きです。)

②右足を引きながら、自分が反回転するように半歩下がってペンギンを右半身に引き込む。この時、同時に右手で後の腰バケツの餌を自然につかむ。

③そのペンギンたちの動きを止めずに90度受け流すように、右のパイロンめがけて餌をまく。

 

・・・ここまでずうっと、やれ体の使い方だの身体意識だの言っていたのに、ここで目標に向かって餌をまくという原始的な行為が入ります(笑)。

 

しかし、ただ餌をまくのとは違い、これまでの動きのおかげで少し距離が取れているので、餌をまく手がペンギン達にきちんと見えているということが肝心です。

行動分析学用語的に言えば、この段階ではまだ「強化」ではなく「行動形成」ですから、あらゆる手を尽くしてとにかくパイロンまで行かせる既成事実を作ればいいのだと半ば開き直ります。

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またまた写真の使い回し。

ここで餌箱に手を入れながら右足を下げていると思って下さい。

 

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次にこの時、ペンギンに見せながら餌を投げる瞬間だと思って下さい。

ただしもう条件づけも強化もできているので、本当は餌を持っていません。

 

動物訓練全般に言えるのですが、同じことを何度か繰り返していると、動物が行動を先読みするようになってきます。特にペンギンは群れますから、相手より先にと競争意識が働くのでなおさらです。

読まれてはいけない動きもあるのですが、ここは思いっきり先読みさせることを計算に入れます。

 

スタートの動きの決めごとをしたら、あとは流れでパイロンの方に歩いて行けば餌の方が勝手にやってくると思わせるのです。

これは、犬のボールやフリスビーのロングキャッチの訓練法と一緒です。フリスビーはある程度以上の長い距離になってくると、投げてから犬を走らせたのでは追いつけなくなります。

ではどうするかというと、心配しなくても毎回同じフォームで単調に投げていれば、犬の方が勝手に走り出すようになるのです。ただし、これは合図に従っているとはいいがたい状態です。だから、投げる直前に「イケ(マエ)」というコマンドをのっけておくのです。

 

「イケ」は声符(せいふ)、つまり声の合図です。

同じように視符(しふ)、つまり手の合図も必要となるのですが、この合図の出し方のコツについてもう少し詳しく次回説明します。