「サイン」と「コマンド」の違いと、ちょっと上級者に見えるオスワリのしつけ
スタンダードプードルのサンディーちゃんが、オスワリを覚えた話を書きましたが、そのついでに。
犬は群れで生きる動物で、高度な群れの生き物にはリーダーがいて、リーダーが必要とされる群れは誰かがリーダーにならないといけなくて、飼い主がリーダーになってあげなければ犬がリーダーにならないといけないと勘違いする・・・。
犬には服従の本能と、被服従の本能の両方があって、両立はムリだから服従心をつけてあげるのが大事なしつけの一環で、だから犬には「コマンドという命令(指令?)」を与えるのものだと考えています。
たまたま現在、インコの訓練と犬の話が並行していますが、インコのはサインであって命令ではなく、犬のオスワリは命令だと認識しています。
ただし、高度な群れの生き物であっても多分、イルカのトレーナーさんにも命令という概念はないと思います。
サイン=合図で、コマンド=命令です。
もっと細かく言えばコマンドはしつけや服従に関することですから、犬であっても例えばフライングディスクの空中キャッチなど、高度な芸になってくると一概に命令とは言えないのですが、このサインとコマンドの区分けは特に家畜ではない動物のトレーニングにおいては大事な概念だと思っています。
のっけから回りくどいですが、そんなに大層な話ではなく、表題の「ちょっと上級者に見えるオスワリのしつけ」とは。
まず、リードがついている犬にオスワリをかけます。
この時はリードを緩めておきます。
次に、オスワリができたら、「そうオスワリ」と、肯定して声をかけてあげながら、その犬のリードを、少しづつ軽くひっぱります。うまいタイミングでゆっくりと引っ張りながら声をかけてあげると犬は、立ち上がらないようにリードに抵抗します。
最初はごく軽くゆっくり引くのがコツです。
引っ張りに対して抵抗するように座っているのがわかるでしょうか。
その後、リードを緩めてあげてから、「おいで」とか、「はい、よし」とかでオスワリを解除してあげます。
これができると大抵の人は、「すごい、ちゃんと飼い主さんの言葉に従うんですね。」と感動してくれます。
ただ種明かしをすれば、これは服従心でというよりも、バランスをゆっくり崩されそうになると抵抗しようとする一種の本能のようなものです。
逆に「おすわり」をさせたいときに犬の腰のあたりを軽く上から抑えると、抵抗して後ろ足をかえって突っ張るのに似ています。
私のように(?)ある程度訓練経験がある人が行うと最初から上手くいく可能性が高い半分、リードを引っ張られたらそれに反応してすぐに立ち上がってしまう犬もいます。
その場合は立ち上がったらすぐさま静止してオスワリの体制に戻さねばなりませんが、どちらにしてもこの「引っ張られるリードに逆らうオスワリ訓練」はそれほど苦労することなくすぐに覚えてくれます。
そして、そこまでできて初めて「オスワリ」がただの合図ではなく「コマンド」になるというイメージの一端です。
小難しい理屈はさておき、これは犬の服従心を喚起させるためにも教えておいて、やっておいて損はない訓練だと思います。
ただし、あまりオーバーにやりすぎるとそれで信頼関係が崩れますから、引っ張りすぎはほどほどに。あくまで軽く、です。