シェパード犬「ハチロー」
ブログの8回目を記念して(?)今回ご紹介するのは、シェパード犬「ハチロー」君です。ハチローは、私にとっては特別な犬です。
私はもともと、クマのショーのトレーナーでした。ある時、大きな心臓の病気で手術をしてクマのトレーナーを引退しました。正確には、半年後に一応ショーにはさりげなく復帰したのです。しかしその後、パートナーだったクマが高齢の為に引退して、私が取り残されました。
障害者手帳をもらうくらい大きな手術だったので、次のクマを訓練する許可はもらえませんでした。クマどころか、自分で直接動物の訓練をするのもダメだと言われました。
そこで粘りました。「体は必ず回復させます。そして、どんな動物でも訓練期間が必要で、最低1年はかかるものです。クマはあきらめます。シェパード犬を一頭導入させてください。一年後には、何らかの形でお客様を楽しませる企画を作ります。」と。
これが通らなかったら、自分のアニマルトレーナー人生はおしまいだと思いました。
そして、私の願いは通じました。
2008年の12月25日。ウルフカラーのシェパード「ハチロー」がカドリーにやって来た日です。生後8か月たっていました。自分で言うのもなんですが、かなり優秀な血統の犬でしたから、8か月で買い手がついていなかったのは奇跡です。
ペットならまだしも、シェパードは使役犬ですから、子イヌしか売れないというわけでもないのです。
名前はすぐに思いつきました。2008年のクリスマスに、生後8か月で出会ったから「ハチロー」です。ちなみに、「ロー」と伸ばすのはしなやかな立ち居振る舞いが「イチロー」を連想させたからです。
そして約1年がたった時、園内の動物とスタッフでペアを作って、人気投票をしようという企画が持ち上がりました。私とハチローは、園内でフライングディスクをお見せしたり、子供たちと輪投げをして遊んだりしたのがウケて、1位に輝きました。
次の年には、ハチローや他の犬たちとまた、ステージに立てることになりました。
そして、めぐりめぐって今、私とハチローはアニマリュージョン!に出演させていただいてます。
もしハチローがいなかったら、私はとっくに他の仕事に就いていたでしょう。いや、まだ仕事がなかったかも知れません。
そんな私を救ってくれたハチローは、もはや、警察犬と言うより、人命救助犬です。
ハチロー君の演技はぜひ、生でご覧くださいませ。
この目線の先には、もちろん大好きな私…の持ったボールがあります。