ムツゴロウ様!
ブログ独立以来、気持ちがいいくらいアニマリュージョン!から外れてきています。
子供の頃からムツゴロウさんの大ファンでした。私にとって、神と呼べるのはムツゴロウさんと神様くらいのものです。ムツゴロウさん好きからクマ好きになって、クマのトレーナーになったのです。
「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」は、昔フジテレビの看板番組でした。たまにテレビでやってる大家族ドキュメンタリーは、ムツゴロウ一家が元祖じゃないかと思っています。
私は動物の専門学校を卒業していて、その学校が東京にあったこともあり、ムツゴロウさんと仕事をしたことがあるという先生が何人かいました。賛否両論でしたが、私は動じません。
先生A「いやあ、あの人は本当にすごい人だよ。もう、人としてのパワーがすごい。」
私「そうでしょうとも!」
先生B「テレビはけっこう、やらせ的だよ。ライオンの檻に突然入って馴らしたっていうエピソードがあるけど、あれ、実際は3日かかっているんだよ。」
私「大人のライオンを3日で手なずけるって、超すごい事なんじゃ?」
先生C「北海道在住みたいに言ってるけど、東京で麻雀ばっかりやってるよ。」
私「ムツゴロウさんの本業が作家なの知ってます?麻雀のこと、たくさんエッセイに書いていますよ。」
先生D「兄弟や仲間内にいろんな派閥があってね、週刊誌じゃ、『ムツゴロウと不愉快な仲間たち』って書かれているよ。」
私「それは…うまい。」
大事なのは、私がムツゴロウさんが動物に接するところをテレビで見て、実際にその動きが動物と接するときの役に立っているということなんです。
いや、それよりなにより、テレビシリーズが始まる前からムツゴロウさんの本を軽く100冊以上は読んでいて、エッセイ作家として超大好きでした。こうして文章を書くのが好きなのも、確実に影響を受けています。
今ではもう私の守護霊になってるんじゃないかと思うくらいですが、ご本人はまだ生きてますから、多分、私の妄想です。
そんな私が、ムツゴロウさんの著書の中でベストワンを選ぶなら…
何だと思いますか?
発表します、「ムツゴロウの青春記」です。
動物の事が出てこないあの本ですよ! 意外でしょう!
…あれっ? だれかーっ!
ちょっと、まだ先があるんだから読んでくださいね。
そんな神様ムツゴロウ様に、2年前にお会いすることが出来たんです!失礼ながら本音を言えば、亡くなる前に一度ご本人をぜひとも生で見なければ、と常々思っていました。
タイミングもばっちりでした。テレビのイベントで、夏休みの日曜日に熊本市動植物園にやってきたのです。たまたまアニマリュージョン!立ち上げの練習期間でしたから、曜日に関係なく休めました。観光地の動物施設で働くサービス業の私が夏休みの日曜に休めるなんて、本当に神様に感謝しました。
たくさんの芸能人の方と一緒に、ムツゴロウさんが舞台に上がってきました。まずここで私は軽く涙です。たんぽぽさんとか、ナイツさんとかが軽快なおしゃべりをしている客席で、私だけ浮いているような気がしました。
第1幕のイベントが終わると、ステージ裏で出待ちです。
サインをもらうために、当時の最新作であろう名著「犬はどこから…そしてここへ」を持っていきました。件の文庫本「ムツゴロウの青春記」も、意味もなくついでに持っていきました。
ムツゴロウさんは、動物園の園長さんと見えるところで立ち話をしていました。その距離、約6m。じっと見つめていたら、とうとう目が合いました。
「あの…」思い切って、声をかけました。神様が、歩み寄ってきました。
「あの…僕…ファンで…この本、すごい好きで…」
この瞬間、完全に私は中学生に戻っていました。生来の口ベタに加えて、しゃべると泣きそうで、思わず「青春記」の文庫本の方を出してしまいました。
ムツゴロウさんはあの笑顔でやさしく、当たり前のように本を受け取って、ああそうですかと、本にサインをして下さいました。私には見覚えのある独特のイラストを、独特の書き順で書いてもくださいました。
ムツゴロウさんを称賛したいがために、もう一冊の方も出して、「これも…(すごく良い本で、改めて参考になりました)」といいかけたら、ひょいと受け取って、またサインをくださいました。「犬だからね。」と、これも名作「噛み犬ボス」のボスであろうセントバーナードのイラストまで描いていただきました。
結局、自分がムツゴロウさんに憧れたクマのトレーナーだとも言えずじまいだったと思います。その後はもう、半日ストーカーです。ムツゴロウさんの動物園施設見学は、まるでガンジーかマザーテレサのようでした。
行く先々で、生ムツゴロウさんに泣いて感動する職員さんがいるのです。そして普通の人では入れないようなゾウ舎の中に入ってみたり、キリン舎に入ってみたり。入れる方も入る方もすごいなと思ました。
途中で車いすのおばあさんがいました。ムツゴロウさんは、そのおばあさんに声をかけ、手を握り、おもむろにスケッチブックを取り出して似顔絵を描き始めたのです。
2分くらいで仕上げて、おばあさんにプレゼントしていました。
もうサービス精神が強すぎて、おつきのマネージャーさんが先を急がせるのに大変そうでした。だんだん我に返ってきた私でも、もうお声はかけられないなと、ムツゴロウさんを逃がしてあげました。するとうれしそうに、雀荘に帰っていきました。
いやもう、自分でも何を書いているのか…
駄文長文お付き合いありがとうございました。
ここまで読み切るくらいの、そんなムツゴロウファンのあなたに幸せのおすそわけ、サイン本写真を特別にお見せします。
ムツゴロウさんの神の手によって、悟りを開いた噛み犬ボス。