ありの、ままの・・・
久しぶりに、正統派アニマリュージョン!ネタです。ブームが過ぎちゃった感のある題名ですが、強行します。
あらゆる芸事は、芸のインフレとの戦いでもあります。器械体操などはバック宙返り2回転くらいでオリンピックに優勝できる頃もあったのに、もう今は空中で何回まわってひねっているのかわかりません。
動物サーカスの世界でも、世界中ですごい芸を求めてインフレ状態になっていた時がありました。でも、過ぎたるは及ばざるが如し、です。
アニマリュージョン!は、新しい動物ショーの形態を目指した結果として出来上がったショーです。そのコンセプトはというと…
- できるだけ動物の自然な美しさを表現する。その為に、動物たちにできるだけ服を着せない。
- 高度すぎる曲芸は目指さない。するにしても、その動物の能力を生かしたものであること。
- セリフは極力少なくする。海外の方でも楽しめる内容にする。
この3つのコンセプト(必要条件)を守りつつ、今までにない楽しいショーを作るには、十分条件が必要です。アニマリュージョン!チームが出した答えは…
- 本格的な音源と光の演出効果
- 計算されつくしたリズムとテンポと進行
- 手品要素
- クラウン(ピエロ役)のお笑い要素
- もちろん、パフォーマーの笑顔と表情。 …などです。
動物の服どころか装飾品も、豆芝ゴンちゃんの首輪くらいのものです。こればっかりは、ないと私がゴンとシーナの区別がつかないので(?)、トレードマークとしてつけています。
また、動物たちの芸は、当然ショーとして見せるレベルにあるという自負はありますが、「ここでしか見れない世界唯一の高度な芸」なんてありません。
オープニングに無人のステージ上で、様々な動物たちが舞台を横切ったりするシーンがあります。初期の頃に「どのシーンが印象に残ったか3つ選んで下さい」というアンケートを取っていた時期があったのですが、大抵はこのシーンが一つ選ばれ、残りがランダムという結果でした。
知人がショーを見た時、感想の第一声が、「いいね。犬が走る姿って、意外となかなか見ないし、あれ、きれいでいいね。」でした。
また、ショーのエンディング近くに、首輪さえつけていない裸のツキノワグマが、ミラーボール付の台の上で立ち上がるというシーンがあります。
お客様によって、「え?芸をしないでただ立ってるだけ?」という反応と、「クマさんの美しい立ち姿と、きれいな光の演出に感動!」と賛否両論です。
ほとんどアニマリュージョン!のボケ役を一身に背負う私が言うのもなんですが、ぜひ、そんなアニマリュージョン!の美しい世界観をご覧になってください。
*1:この写真は、キーホルダーとなって、1つ500円で劇場で販売しています。もちろん、それが今回一番言いたかったこと…ではありませんよ。