Mr.トーマのアニマリュージョン!ブログ

アニマリュージョン!は熊本県阿蘇のカドリー・ドミニオンで行われているファンタジックアニマルショーです。このブログではショーだけに関わらず、広く地域情報や動物訓練に関しての話題を提供しております。

アニマリュージョン犬、初の8頭お散歩

もう去年になってしまいましたが、ハチローの足のコブを手術で取った頃の話題です。

 

手術の次の日の朝は、雨模様の天気でした。そこで、いつも別行動のサンディちゃんを、この日初めてお散歩に合流させようと思い立ちました。

まだ若いサンディは晴れたらボールやディスクレトリーブ運動で足腰を鍛えますが、雨ならテント屋根のあるクマさん展示ゾーンでお散歩をします。

初合流は、その通りなれた雨の日のお散歩コースが一番落ち着くのではないかと考えたからです。また、そうすることでハチローの散歩時間も長くとれますから、手術後の気晴らしにもなって一石二鳥です。

 

ハチローとアロマの大型犬2頭はもともと、集団お散歩ではノーリードです。

残り6頭が問題です。右手に豆柴2頭のリードを持ち、左手にトイプードル3頭のリードをもった上にさらにサンディのリードを持って、いざスタート。

まあ、散歩のしづらいこと!

左手に4頭ですから、右手のリードと絡まらなように両手を少し広げるように浮かす必要があります。私世代の方には伝わると思うのですが、まるで少林寺の水汲みです。

一応、知らない方にご説明しますが、少林寺の水汲みとは、昔のカンフー映画のワンシーンです。修行の為、両手に重い水桶を持って運ぶのですが、二の腕の内側に短剣を垂直に縛り付けられています。腕を45度くらいに開いておかないとあばら骨に剣が刺さるという荒行です。

もう、次の日に筋肉痛になるのは確実です。

 

まあ犬の散歩は大抵、最初が元気良くてだんだん落ち着いてくるものですから、15分も歩いたら犬の方もなんとなく落ち着くとともにコツがわかってきて、小型犬の方が上手く幼い怪獣を避けて歩くようになります。

30分も経つ頃には、かなり腕もリラックスできるようになってきました。

そんなこんなで、初お散歩を記念して、昨年の話ではありますが、初集合写真の初公開です。

 

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リードを外したサンディとアロマは、ほとんど大きさが変わりませんね。

トイプー3頭のリードの絡まりが、幼獣襲撃のすさまじさを物語っています。

 

これを機会に、全頭引き連れての散歩を・・・

 

しばらく行くもんか。

「吠えろ」考

スタンダードプードルのサンディちゃんは、大型犬の子犬らしくエネルギーが有り余っていて元気な子でした。

地震がある少し前に担当することになり、地震のあとは、その屈託のなさにずいぶん癒されました。

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特にゲージから出す時やお散歩開始の時など、本当にうれしそうに吠える犬でしたから、こんなに明るく吠えるサンディには、「ホエロ」を教えてみる価値があると思いました。まだしつけと言えば、「ハウス」は覚えているけれど、「オスワリ」も完全に覚えていないような時期です。

 

シェパードのハチローは、「ホエロ」ができます。子供の頃はシャイでなかなか吠えてくれなかったハチローよりは、教えるのは楽だと思いました。

しかし、これが結構難しいんです。

釣り人に言わせると、「見えている魚ほど釣れない」らしいのですが、普段は放っておいても吠える犬でも、あえて吠えさせるのって簡単じゃないんですね。新たな発見でした。

 

長くならないように訓練課程は大幅にカットしますが、簡単に言うと・・・
1.いつ吠えるかの観察。サンディの場合、広場でノーリードになる時が一番うれしくて吠える。
2.吠えたご褒美にノーリードにしてあげる感じにし、吠えた時に「そう、ホエロ」とコマンドを乗せる。

難しいのは、初期段階でどこまで欲張るかです。

一回吠えた後、もう一度肯定して吠えさせてからご褒美にリードを外してあげたいのに、犬が吠えるのを止めてしまうと、吠えた罰でリードを外してもらえなかったことになっちゃいます。

 

それでも少しづつ上手くなりますが、まだ理解はしません。

「朝のお散歩中の、最初にリードを外してあげる時の儀式」と思っているようで、それ以外の時には吠えてくれないからです。

 

結局、ちゃんと「ホエロ」を理解したのは、フライングディスクを教えるようになって、ディスクという楽しいご褒美のモチベーションができてからのことでした。

教え始めてから、3ヶ月くらいかかったことになります。

 

私の経験上、大型犬は一歳過ぎてから急速に理解力がつきますから、それより前に躾以上の範囲である芸事を教えようとしても無駄が多いようです。まさにサンディの「ホエロ」などは、教え始めを2か月遅らせても、最後の一ヶ月で同じ効果が得られたのではないかと考えています。

 

では、なぜ早めに教えたかというと、あることを試してみたかったのです。

それは、「無駄吠えする犬の対処法の一つとして、無駄吠えを利用してホエロを教えてしまって、覚えたら後はホエロと言わなければいいだけ。」という理論です。

誰から聞いたことなのかは忘れてしまいましたが、理屈としては面白いというか、動物訓練の理屈を理解するヒントにはなる話です。

だから、無駄吠えが多い若いうちにこそ、教えておきたかったのです。

 

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冒頭の写真も吠えているのですが、こちらの方がわかりやすいでしょうか。 

 

で、めでたくホエロを覚えたサンディちゃん。

無駄吠えはというと・・・

 

全く、なくなりませんでした。

朝のお散歩はサンディだけ別行動なのですが、今も他の犬たちのお散歩中は、ずうっとケージの中で吠えています。

 

・・・専門家に相談しようかな。