犬笛でのコーリング
こんにちは、Mr.トーマです。
犬笛訓練の話題の続きです。
まずは豆柴ゴンちゃんの、台に乗せるターゲットトレーニングの進捗状況です。
これは前回と同じ写真ですが、このステージの向かって右端あたりでゴンちゃんを放し、「ダイ ノッテ(台乗って)」という呪文を唱えます。
順調にスタート。3日の練習の成果です。
おお!迷いがない!
ちょっと画像が荒いですが、到着!
ちなみに、この訓練は超楽チンな裏技があって、ある程度上達するまでは目標の台の上におやつをバラまいておくのです。
だからよく見るとゴンちゃん、「あれ?おやつがない?」てな顔をしていますね。
ここで台に乗ったら、トレーナー急いで近づいて、ご褒美のおやつをあげます。
それによって、「エサを取りに行く」状態から、「乗ったらご褒美をもらえる」状態に移行していくわけです。
すると、おやつがないことが分かっていても、ちゃんと上るようになります。
さて、今度は犬笛を使った呼びよせ、コーリングの状況です。
この状態から、トレーナー(私)は少ししゃがんで、おもむろに犬笛を吹きます。
「ピーーッ!」
来ました!
写真では、ゴンちゃんがブレてしまうほどの全力疾走‼
犬笛の音は人間にも聞こえてはいるのですが、普通のホイッスルに比べたら全然、かぼそくて聞こえづらいものです。
しかし、犬には相当インパクトがある響きのようで、音とともに全力で走ってくるゴンちゃんのかわいいこと、かわいいこと!
実は「オイデ」というコマンドには厄介な点があるのです。
より高度に、より遠くから来てもらおうと思ったら、その前に遠くで待たせる必要があります。つまり、「マテ」を強くしっかりかける必要がでます。
このマテとオイデがセットになってしまうと、飼い主が離れるほどに、オイデを言われるのを今か今かとソワソワするようになってしまいます。
結果、落ち着いて待てない犬になってしまうのです。
ある程度の訓練経験があるトレーナーは、この弊害をよく知っていますから、待たせてからのオイデは「ここぞ!」という時にしか使いません。
しかしそんな、たまにしかしできないコーリングを、この訓練ではあえて行ってるわけです。
だからもう、繰り返しますが、犬笛の音とともに全力で走ってくるゴンちゃんの、かわいいこと、かわいいこと!
しかも、同じことをステージのソデのいろんなところで隠れて行っても、笛の音とともに一直線に駆け寄ってくるんです。かくれんぼみたいで、楽しくて楽しくて。
笛の音が、「もういいよー」ですね。
「もういいよー」「うわ、もう来た。早すぎる!」
「うわー楽しい!もう一回やろ。こりゃ癖になる!」
…こんなことばっかりやってるから、私には人間の友達がいないんですかね。
てなわけで、結論。犬笛訓練は、とても楽しい。
あとはこれをだんだん、野外などいろんなシチュエーションで行って、専門用語でいう「強化」していこうと思っています。
なのでこの話題はここで一度終了しまして、またいつか、機会があれば。
犬笛を使った訓練スタート。まずは目標設定と条件付け
こんにちは、Mr.トーマです。
前回からの続きで、犬笛の話題です。
訓練、まだ?
いきなりですが、問題です。
以下の2つのうち、イヌに教えるなら難しいのはどっちでしょう?
①犬を呼んで近くに来させることと
②どこか目的地に行かせること、
…普通に考えたら、①の呼び寄せる方が簡単ですね。
しかしこれが、声をかけるわけにいかないシチュエーションだったらどうでしょう?
さらに、飼い主が見えない場所なら?
そういう条件なら、②の目的地に行かせることの方が簡単です。ターゲットを提示すれば訓練が可能だからです。いや、これは専門用語的なややこしい言い方ですね。例えば犬に、小さな台に乗る音を教えます。乗ったらご褒美のおやつをあげて褒めます。
カドリーホールのステージ上。今回はこの台をターゲットとして使用します。
合図で台に乗ることを理解したら、その台を少しづつ遠くしてあげれば、10mくらい離れた台に乗れるようになるのは時間の問題です。
最初は近くから。だんだんステージ向かって左側から。ゴール地点は変えず、スタート地点を遠くしていくのが訓練のセオリーです。
では逆に、10m先の台に乗っている犬に対して、大声を出すことなく「オイデ」の合図を出すにはどうするか?
ここで、犬笛が使えるなと考えたわけです。
犬笛にはいろいろな使い方があるようですが、私の使用目的は、専門用語でいう「コーリング」の為だけなのです。ひらたく言えば、「呼び寄せ」ですね。
ちなみに前回の問題点、音が安定しなかった犬笛をどうするかですが、これはもう、多少人間に音が聞こえようが気にせず強く吹く方針に決めました。
それでも普通のホイッスルやクリッカーよりはずっとましな、気にならない合図音ですから。
で、まずは犬笛の条件付けですね。
これには先ほどのターゲットはまだ関係がありません。
サッカーの審判が試合中に、いきなりホイッスルを吹いてイエローカードを提示するように、ゴンちゃんの前でいきなり笛を吹いておやつを提示(というか、あげる)するわけです。
サッカーの例えを出したのは、あくまでトレーナー側が感情を出すことなく、「笛の後におやつが出てくるという事実」のみを機械的に行うのがコツだからです。
条件付けが済んでしまえば褒めたりしてもかまわないのですが、こういった訓練では感情のやりとり(声や表情で褒めたり叱ったり、なだめたり)が先にあるとよくありません。なぜなら、動物側に「なんとかして笛を鳴らしてもらえるようにねだる」という悪知恵を働かされたら、のちのち面倒なことになるからです。
とりあえずこの初期条件付けを3日ほどやりました。笛が鳴ったら寄ってきて、嬉しそうにこちらを見つめるようになりました。
…で、長文になってきたので次回に続きます。
内容も写真も地味だったので、ゴンちゃんのサービスショットです。