Mr.トーマのアニマリュージョン!ブログ

アニマリュージョン!は熊本県阿蘇のカドリー・ドミニオンで行われているファンタジックアニマルショーです。このブログではショーだけに関わらず、広く地域情報や動物訓練に関しての話題を提供しております。

誰にも書けない十二支苑の話

トランプのジョーカーって、ピエロなんですってね。

私、悪魔だと思っていました。王様のおかかえの道化師で、今で言うならお笑い芸人みたいなものです。客いじりならぬ、王様いじりができる唯一の存在で、逆に一般人にバカにされたりする。

で、ピエロを目指す私としては、自由人として好きなことを書くのです。

 

十二支苑というエリアが、カドリーの中にあります。

私にとってこの十二支苑は、現世的なご利益があります。橋を渡ってエリアの中に入ると袋小路状のロータリーになっていますから、朝の犬の散歩にもってこいなんです。ノーリードで歩いていても、人に会いづらいし「周回遅れ」の犬のフンを見つけやすいですし。

だから私は多分世界一、十二支苑の三重の塔の周りをたくさん歩いた男です。ちなみに、まだギネス申請はしていません。

 

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私も含めた、古くからいるカドリーの社員はみんな先代会長のことが好きでした。気取ったところがない上に、やたらと人を褒めるんです。いつも園内を見て歩く「現場主義」でした。当時の先輩社員は、新人さんが入ると必ずこう聞かれました。「あの良く話しかけてくるおじいさんは、近所の人ですか?」

その当時は社長だったんですが…

 

カドリー・ドミニオンは、もともと「阿蘇くま牧場」という名称でスタートしました。クマしかいない動物園だったんです。

昭和48年創業です。当時の阿蘇周辺には、観光客が遊ぶところがなかったので、くま牧場はお立ち寄りスポットとしてあっという間に人気が出ました。

そこで気をよくした先代会長が、ご自分の趣味と実益を兼ねた十二支苑を隣接地に作ったのです。

でも、実益はあんまりなかったようです。できた当時は、くま牧場とは別に入場料が必要な施設だったのですが、すぐに一緒の施設にしたとのことです。

でもまあ、折角なら干支の動物でも集めてみようかというところから、今のふれあい型動物施設の原型が出来上がったのですから、何がどう転ぶかわりません。

 

十二支苑は「何でもあり感」が満載です。

調べてみると、干支に対応する神様で一番有力な説と、カドリー十二支苑の対応する神様が全然違うんです。会長のご出身の北海道に十二支苑のモデルのお寺があるらしいんですが、まあ干支と神様の対応というのは大体が後付けですからね。

 

十二支苑には、干支の動物の顔をした仏像(?)もあります。干支はみんなにあるものだし、対応する神様も諸説あるし、干支の顔の仏像作っちゃえば間違いありません。お隣の韓国にはそういう思想もあるのか、由緒はよく分かりませんが、それらを含めてここの仏像を制作したのは韓国の仏師の方だそうです。

非公開ですが、三重の塔の内部には薬師如来像もあるらしいです。

 

クマという生き物を扱うところからスタートして成功したこともあり、生き物に感謝しなくちゃ、という願いも込められています。だから私が犬たちを連れて周辺を歩いても全然、罰当たりじゃないんですね。

 

さらに干支は、昔の人が時間と方向を表示するのに使っていました。

実際に十二支苑は正確に、例えばネズミの神様は真北に位置されています。草木も眠る丑三つ時の「うし」は夜中の2時くらいを表します。

宇宙という言葉の語源は、「宇」が時間を、「宙」が空間を表しています。

だから干支の神様は宇宙の神様。もうここまできたら、本当になんでもありでしょう。

 

私はこの「何でもあり感」にひっぱられてこのカドリーに来ちゃったのかなと思うほどです。私も思想上は何でもありです。

でも別に、何かの宗教に引っ張ろうってんじゃないですから、ただの観光地の建物だと思って気楽に見て下さいね。

もう30年くらいの歴史があるから、建物もそうですが、植木なんかもしっかり根付いていて景観がとてもきれいなんです。外国の方の方が、よく写真を撮られているようです。

 

もちろん、気に入った神様がいたら気楽にお祈りして下さい。

ちなみに私は、酉年です。

 

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きっ貴様に、このマジシャンズレッドが見えるというのか!

ジョジョを知らない方、すみません。でも、こんな風に茶化してもバチは当たらないと信じています。)