シンクロニシティ?
ヒグマのトレーナー時代の話です。以前、自分の動きが古武術や合気道に通じる気がすると書いたことがありましたが、クマに逆立ちの合図を出す瞬間は、なんだか相手に合わせる相撲の「たちあい」のような、不思議なクマとの間合いが生まれていると感じる時がありました。なんだか、自分が合図を出してるのか、自分がクマに合図を出させられているのかよくわからないくらい、共同作業的な瞬間があるのです。
そんな感覚を味わっている時期は、何か頭にひらめくものがありました。
「相撲って、不思議だな。戦いなのに、相手に合わせるし、行司の合図って後付けっぽいよな。これ、なんだろう。」
さらに考えます。「西洋的なスポーツとは何か違うな。まてよ。そういえば、お正月の羽根つきってネットがないよな。勝とうと思ったら簡単だけど、バドミントンとは違って、ラリーを楽しむ遊びってことだよね。負けたら顔に墨って、『ごめん、楽しいラリーを私が終わらせちゃった』っていう罰ゲームなんじゃないの?」
「さらに、蹴鞠とサッカーの違い。やっぱり、蹴鞠はラリーを楽しむ雅な遊びだよね。これが、相手と気を合わせるってことかな。」
なんかすごい大発見をした気がしました。「動物に合図を出しているんじゃなくて、気を合わせているんだ!」と。
それから3日もたたないうちに、ビデオを借りました。何の気なしに内容も知らずに借りた、「温泉卓球(卓球温泉だったかもしれません)」という題名のその映画こそ、「温泉場でやる卓球は勝つんじゃない、ラリーを楽しむことが目的だ!」という内容だったのです。
もう意味が分かりません。偶然か、どっちがどっちを引き寄せたのか。
たまに、そんなことがあるんです。
だから私は、「集合的無意識」って絶対にあると思います。
それで、何が言いたいかというと、私がどこかで聞いたことあるような冗談を言ったときは、「ぱくり」と思わないでください。
ああ、集合的無意識だなと思ってくださいね。