行動分析学 悪い癖の消去にクリッカーを使いたい時のイメージ
クリッカーは時として(又は人によって)、すごく役に立つことがあります。
そのうちの1つは、感情とテンションを切り離せるということ。
動物訓練で、大きい声でハッキリ合図を出そうとすると、無意識で怒った声になっちゃったり、小さい声にすると、甘やかすような声になっちゃったりしがちです。
昔、とあるテレビ番組のカドリー園内ロケ(バラエティ的な番組で確か、韓国のテレビスタッフでした)で、ディレクターさんにこう言われたんです。「途方に暮れた様子でオーバー気味に、『もう、いつまで待たせるの?遅いなあ。』と言っていただけますか?」と。まだ若かった私にとってはもうムチャ振りなんですが、テレビってそんなものかと思ってやってみました。するとそのセリフが、自分でもびっくりするくらい怒った声になって出ちゃったんです。
その気づき以来、かなり意識して感情とテンションの分化を練習しました。竹中直人の伝説のネタ「笑いながら怒る人」みたいなことの練習です。
結果、動物訓練上でも演技上でも自分なりに役に立っているようですが、そんなことしなくてもクリッカーがあれば大丈夫です。究極の中立の刺激ですからね。
もちろん怒ったり、叱ったりすることが必要な時もあります。
しかし多くの場合、感情が入ると、自分のした行動が悪くて叱られたのではなく、機嫌が悪くてもともと怒っているからその矛先が自分に来たと思われちゃうんです。(中学や高校の頃、やたらヒステリックでどこに地雷があるのかわからない先生っていませんでした?)
もう一つのクリッカーが効果を発揮する時は、もう完全に勘違いされてしまっていることを、脳みその別の部分を使わせる要領で新しい概念として教えなおす時。
これについて、すごく抽象的ですが、イメージの説明をします。
このブログ、お絵かき機能があるんです。
こんな絵を書いてみました。
うーん、マウスでお絵かきは難しいですね。
もっとうまく書くために、目玉くらいは図形機能を使ってやってみます。
どうです?さっきより、ずっとリアルでしょう。
え?デッサン狂ってる?
うーん、大半の方には伝わってないですかね。
じゃあ、この絵を横にします。
分かりましたか?アヒルです。
ウサギだと思い込んだらもう、2枚目の絵もウサギに見えます。
でもこれがアヒルに見えちゃうともう、最初の絵の方も横にしなくても不格好なアヒルに見えます。これが、脳みその別の部分を使わせるイメージの話です。
こっちがアヒルの話をしても向こうはウサギと思っていると、話がすれ違って全然伝わらないから、もうお互いにイライラします。
そんな時、紙を90度傾けてクリッカーをならしてあげるのです。
うーん、例えがいまいちですかね。
意味が伝わらなかったらごめんなさい。
「私からも謝ります。」ハチローより。