ASO田空 17 乙姫子安河原観音 に行ってみた(ASO田園空間博物館 サテライト 17)
そういえば阿蘇に来たばかりの頃、近くに有名な子安観音があるという話はきいたことがありました。写真では見たことがありましたが、子供が欲しい人がいく観音様に特別行く必要もなく、今回初めて行きました。
阿蘇乙姫ペンション村を通りぬけて行くような道には、ちゃんと看板やら、のぼり旗やら(ちなみに、阿蘇の方言では「~とか」を「~やら」と使うのが一般的です)があるので迷わずに行けます。
到着するとそこは、きれいな芝生広場のある公園でした。
ただし、この時期はどこの芝生でも割とモグラが出ます。
土を掘り返すので景観は損なわれますが、天然の耕運機だという人もいますね。
手前に由緒書きがあるのですが、これがまたすごい由緒です。
1500年前に、神功皇后が安産を祈願したのですって。
そんな昔からずっとある石って、すごいです。
巨石ならわかります。
しかも、まだこの時点では見ていないですが、河原ですからね。
しかしまあ、大正天皇の逸話も嘘ではないでしょうが、天皇家に観音様って面白いものです。神道なのか仏教なのかはっきりしないところがいかにも日本らしいです。昔は観音ではなく自然石信仰、いわゆるアミニズムだったのでしょうね。
小さな祠の前には、たくさんの石があります。
これがどういう意味なのかわかりません。由緒書きには、ここの河原の石を持ち帰って股に挟んで寝るとよいと書いてありました。
この石は御利益があった人が戻しに来たのか、これを持ち帰って良いのか、どちらなのでしょうね。まあどちらもこの河原から採れた石には違いないのでしょうが。
それにしても、戻しに来たのならすごい数です。
絵馬もとんでもない数が奉納されていましたし。
河原はその奥のようです。
階段で下ります。
水が無い川底のような、なんとも不思議な空間です。
これは階段の途中から撮った写真。
近くだとこんな感じです。
もちろん化石ではなくただの石なのですが、埋まっている感じがなんだか生生しいというか、存在感はあります。
失礼な言い方をすれば、この程度の人型なら、探せば日本中のどこかにたくさんあるのではないかと思うくらいです。でも確かに、存在感はあります。
全く水は流れていないのですが、ここも平成24年の水害では、相当に崩落があったのでしょうか。土がえぐれて、木の根がむき出しになった感じはそう古いものではなさそうです。
雨の日や梅雨時期とかに来たら、水が流れているのでしょうか。
たまたま近年の大雨でこうなるのなら、よほどの昔から御神体は地元の人たちによって守られてきたのでしょうね。
推測すれば、ちょうど良い具合に御神体の石の周りの土砂を調整しているのではないかと思います。だとしてもそれは、もちろん、インチキではありません。ちゃんと掃除と手入れ、つまり「祓い」を怠らないから御利益があるのでしょう。
男の子が欲しい方は黒石を持ち帰り、女の子には赤石という具合に、産み分け(?)がきくというのがとても珍しいのですって。
でも普通に考えても、このきれいに赤石と黒石が混じり合っている川底は珍しいと思います。生で見ると、とてもきれいです。
そんなこと改めて感じているわけですが、地元の人にとってみたら私が25年以上も阿蘇にいて、ここに初めて来たというのが驚きなくらいかもしれませんね。