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Mr.トーマのアニマリュージョン!ブログ

アニマリュージョン!は熊本県阿蘇のカドリー・ドミニオンで行われているファンタジックアニマルショーです。このブログではショーだけに関わらず、広く地域情報や動物訓練に関しての話題を提供しております。

ペンギン訓練の思い出その12 イケの合図の出し方は、奈良のシカせんべいに学ぶ

我ながら、キャッチィな題名ですね(笑)。

 

「イケ」という手の合図は、ご褒美のお魚を見えるように進行方向に投げてあげるという動きの延長となります。しかし取り掛かりがそうだから、トレーナー側がいつまでも腕全体のスローイングの動きが合図だと思い込んでとらわれちゃうんです。

 

大体が動物のトレーニング、特に行動形成の段階では、まっすぐな坂道を車で登って行くように進むものではありません。

垂直の梯子を登って行くようなイメージの方があっていると思います。

どういうことかというと、右手、左足、左手、左足とそれぞれが一段ずつ上がった行動形成の結果として、体全体が上にあがって行くというイメージです。

一つの方法、部分にこだわるのは、片手だけ無理に進んでいこうとするようなものです。そうして無理してバランスを崩すせば、落ちるか後戻りに方向転換するかの結果になります。

 

回りくどくなりましたが、この「イケ」の行動形成をするペンギン訓練では、手の合図を出した後はパイロンにペンギンの意識が傾くのですから、手は合図を出しっぱなしにして放っておけばよいのです。

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世の中には、餌を持っていないのに持っているかのような動きがあります。

カモン!

このトレーナーさん、餌持っているんじゃないの?持っているよね。

・・・でも、安心して下さい。

 

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持っていません。

流行りのお笑い芸のフレーズを借りちゃいましたが、イメージは正にそんな感じです。ペンギンは、9割餌を持っていないことを分かっていながら、つい、手についていってしまう。そして持ってないことが分かると、「安心して」次の行動に移るのです。もう握った手が、「騙す」というよりは「合図」に昇華しているんですね。

 

これを、我慢できずにあせって、「ほら、いけ。イケだよ。イケったら!」と何度も腕を振って見せることは、「この腕に注目!ここから目を離すな!」と教えているのと一緒です。

手もベクトルが肝心ですから、伸ばした手を伸ばしなおそうとしていったん引くことは、餌の入った腰バケツに手を近づけていることと勘違いされてしまいます。

 

奈良の鹿。はるか昔に修学旅行でガイドさんに言われたことを思い出します。

「シカは手を握っているとせんべいを持っていると思って近づいてきます。近づいてきたシカが怖くて逃げるとよけいに追ってきますから、そんな時は両手を開いてせんべいは持ってないよと、シカさんに教えてあげて下さい。」と。

 

イケの合図もこれなんです。最初は手に注目させるけど、最後の段階では餌は持ってないよと教えるだけ。そうすれば、次のターゲットやヒントをペンギンが自分で探します。

もっと言えば、伸ばした手は、「ほら、餌の腰バケツからこんなに遠い所に手があるんだから、ここにそのままいてもこの手から餌が出てくるわけないじゃん。考えなよ。」というボディランゲージにもなります。

 

先ほどは梯子の例えを出しましたが、将棋だって1つの駒を奪うのに、最低3つの布石が必要だといいますよね。

ここで、前回までのパイロンに向かって餌を投げることと、それを先読みさせることなどの布石が役に立つのです。

あとは、パイロンまで行ったペンギンに上手く後ろから餌を投げてやるだけなのですが、これにもいくつかコツがあります。

 

まだ説明していなかった身体意識のレーザーの活用。

これはまたこのカテゴリーの次回で。

 

アニマリュージョン!ショーとは関係ない話題ばかり書いてるうちに、「ドッグ&バードショー」の日曜日上演が近づいてきました。

次の11月29日(日)と30日(月)は「アニマリュージョン!番外編ドッグ&バードショー」を行いますので、お時間が合いましたら。