ASO田空 46 「国造神社」は思い入れもひとしお その2(ASO田園空間博物館 サテライト46)
前回の続きです。
国造神社の拝殿です。
国造神社の拝殿。
紅葉の季節に訪れました。考えてみたら、一年前もモミジの紅葉の頃に来ていました。
阿蘇神社は大家族で、12神くらい祀られています。ここ国造神社の本殿では、4神(4柱)の核家族です。
- 速瓶玉命(はやみかたまのみこと) …阿蘇神社主祭神健磐龍命の子ですね。
- 雨宮媛命(あまみやひめのみこと) … 速瓶玉命の妃で、別名は蒲智比咩命という海神の女神です。
- 高橋神(たかはしのかみ) - 速瓶玉命の第二子。
- 火宮神(ひみみやのかみ) - 速瓶玉命の第三子。
速瓶玉命の長男は彦御子神のはずですが、ここでは祭られていないんですね。彦御子神の子孫が阿蘇神社の神主さんになる兼ね合いからでしょうか。
しかし、このラインナップ。お妃さまは水の神様。
高橋の神はファミコンの神様じゃないですよ、昭和の方。もしくは水曜日のカンパネラファンの方。多分ですが高い山のことで、特に高岳を表すのじゃないかと思います。
あと、火の神もいますね。
開拓者と水と山と火。阿蘇の神様がギュッと凝縮されています。
そして国造神社といえば、ナマズ伝説です。
阿蘇の神話では、阿蘇の湖にいたナマズを切り殺したように書いてあることが多いようですが、ここでは説得したような表現です。
今でもこの周辺の人たちは、ナマズを食べないという風習があるらしいです。
しかし、ナマズを食べたことがある人の方が珍しいと思うのは私だけでしょうか。
前回も書いたとおり私は最近、国造神社の神職さんの講演会に行きました。その時に最後の質問コーナーで「なぜナマズなのでしょう?」と聞いた方がいました。
回答は「宮司としてではなく、民俗学的に言えばそういう民族集団がいたのでしょうね。」とのことでした。これにはビックリしました。平たく言えば、先住民族との争いがあったということですから。
ナマズは先住民族のことなのでしょうかね。
鯰って、魚へんに念って書きますが、どちらにしろ神様として手厚く祀られています。
ちなみに、公演会の資料では雨宮媛命を祭った境内末社もあると書いてありました。
それが多分、拝殿に向かって左のこの祠でしょう。
拝殿をはさんで鯰社と向かい合っているような配置でした。
雨宮媛命は海神でもあります。水のパワーで鯰をなぐさめ、海へといざなっているのかも知れませんね。
神社といえば木、神の御柱です。この地にはかつて手野の大杉と言われる巨木がありました。台風で倒れてしまい、今はまさに柱のように保存されています。
この巨木が本来の姿で見ることができないのは残念ですが、それでも国造神社には、木だけに頼らない魅力があります。
そんなわけで今回は保存された木の写真は撮ってこなかったのですが、よろしければ過去ログもご覧下さい。