Mr.トーマのアニマリュージョン!ブログ

アニマリュージョン!は熊本県阿蘇のカドリー・ドミニオンで行われているファンタジックアニマルショーです。このブログではショーだけに関わらず、広く地域情報や動物訓練に関しての話題を提供しております。

1,2,3、いっぱい 2

前回の補足です。コマンド(合図)を言う前に、自分に注目させることは大切です。だからまず、コマンドの前に名前を呼んだりしますね。というか、名前もコマンドです。そう思った方が訓練は上手くいきます。

ただし名前は、人によって、又は場合によって意味が変わります。「こっちを見なさい」、「こっちに来なさい」、「複数の中からあなたに用があります。」

ともあれコマンドは命令ですから、意味もなく頻繁に犬の名前を呼ぶことは、犬に無用なストレスを与えることになります。

 

大抵の場合、トレーニングを学ぶ人は「コマンドは一回」ということを知ってはいます。例えば「おすわり」を3回言って座るようだと、「2回は無視していい」という既成事実が出来上がってしまうからです。

 

意外と陥りやすい罠は、いつの間にか「コマンドだけは一回しか言わない」ことが目的になってしまって、つい、無用な声をかけたり、名前を呼びすぎたりすることです。コマンドの前が、だんだん長くなっちゃうんです。

 

これもたとえ話をします。熊本には面白い方言があって、何か2人以上で協力して物を持ち上げる時に、「せーのが、さん、はい」って言うんです。どっちか余計ですよね。「せーの」か、「さん、はい」だけでいいのに。

 

方言じゃないですが、普通のじゃんけん。動物訓練に関わらず、間の取り方がうまい人は、いきなり、「じゃん、けん」って言われても、「ぽん!」でこぶしを出すことが出来ます。

あわない人がいるから、「最初はグー」が生まれたんですね。というか、志村けんさんが生んだんですよね。これでもタイミングが合わない人がいるから、その前に「せーの」がつきます。それも合わせられない人がいるから、「いくよ。」と言います。ついでにそれもあわず、「いい?」と言います。

続けて言うと、「いい?いくよ、せーの、最初はグー、じゃんけんポン」…ポンまでが、長い長い。3つ以上。もうこれですでに、「いっぱい」です。

コマンドって、「定型命令短文(語?)」なんです。じゃんけんは平等な立場でするからこうなるのも分かりますが、そんなふうに最初にたっぷりと間を取ったら、もはやこれは命令ではありません。

コマンドの前の間(タイミング)も、とっても大切なんです。

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最、初は、グー!