ASO田空52 「仙酔峡ミヤマキリシマ群生地」に行ってみた(ASO田園空間博物館サテライト 52)
2015年、 GWあけの5月7日。25年以上阿蘇に住んでいながら、初めてこの時期の仙酔峡に訪れました。
ミヤマキリシマという野生のツツジは、他の植物が育ちにくい山の火山性の荒れた岩場でも元気に育つので、この場所は春になると一面ピンクの花が咲き乱れる絶景が見られるのです。
それがちょうどGW前後に重なる為、途中の登り道は渋滞となります。だから地元の人はあまり見に行かないようです。
小雨が降る日で、霧がかかっている可能性もありましたが、こんなチャンスを逃したらもう行くこともないだろうなと考えました。案の定、この日は平日の上にそんなコンディションですから、かなりすいていました。
地元の口コミでは、この半年間のうちにたまに発生する火山ガスが原因で、例年に比べたら見劣りするらしいのでが、もともとを知りません。
駐車場につくと、山の斜面にたくさんツツジのピンクの花が咲いてきれいでした。
ちょっとした山登りのような急な斜面には階段や道が整備されています。上ってゆくと、見上げるよりも見下ろす方がさらにきれいでした。
桜以外の花は普通、上を向いて咲きますから当然と言えば当然です。
遊歩道の上まで登り切ると、北外輪山を望む景色がとてもきれい
・・・なはずです。もっと晴れていれば、さらに。
国道からも見える謎の仏舎利塔が眼下に見えます。
登山のような遊歩道の上の方には、観音様をはじめ、たくさんのお地蔵さんが高岳の方を向いて祀られています。
高岳の一部はとんでもなく尖った岩山で、時には登山者が命を落とすこともあるようだと後で知りました。
仙酔峡は一昔前まで火口近くまで行けるロープウエイがありました。
今は無期限休止中(?)のようです。
そのロープウェイに沿って、登れる道があります。高岳登山道のようです。
もちろん、登山とまでは行きませんが、どこまで行けるのか少し登ってみました。
仙酔峡まで0,6キロ地点、つまり600メートルほど登った所で、道にトラロープが張ってありました。多分、火口周辺1キロ規制までは全然いきついていないのでしょうが、そこで登るのをやめました。
近くに、文字が消えかかった看板がありました。
ガスがかかっていて見えないこの景色は、案内看板に書いてある「鷲ヶ峰」と「虎ヶ峰」を望めるポイントなのでしょう。
仙酔峡を後にして、麓に降りて考えました。
もしかして、涅槃像の胸の部分のあれかな、と。
これは後日撮った写真です。
麓からだととても小さく見えますが、胸の部分の右上がりの尾根を拡大すると・・・
こうなります。右下の仏舎利塔から位置関係を推察すると、中腹にとんがって見えるのが先ほどのどっちかの峰でしょうか。
これはもう、登るとしたらほとんどロッククライミングです。
高岳って、なだらかなイメージがありましたが、いたる所にこんな急峻があるのですね。
仙酔峡の帰り道。涅槃像の顔にあたる根子岳は、ガスのかかり具合でまるで剣山のような山だと理解できました。
そんなこんなで、阿蘇の山々の美しさと怖さの両方をますます知ることができた貴重な一日となりました。
多分、この週末まではまだミヤマキリシマも見ごろだと思います。