行動分析学 オオカミ母さんの教育法と、罰について
これは行動分析学と言えるのかどうかわかりませんが、オオカミの、子どもの叱り方がすごいんです。「オオカミと暮らす」だったか、何の本に書いてあったのか忘れちゃいましたし、記憶違いもあるかも知れませんので、私の作ったおとぎ話と思っていただいても結構です。
オオカミの子供たちは、生まれたばかりの頃はすごく臆病ですから、巣穴でいい子にしています。さらに、夫婦で子育てをしますから、基本はどちらか保護者が一人、留守番に付き合います。
しばらくすると、体が大きくなって、餌が足りなくなります。こうなると夫婦で狩りにでかけないと、供給がおっつきません。子供たちは好奇心旺盛で、外にも出たがります。
そこでオオカミ夫婦は、何食わぬ顔で巣穴から出て狩りに行くフリをします。
出て行ったと見せかけて、近くの茂みとかに潜んで巣穴を見守ります。子供が巣穴からフラッと出そうになったら茂みから飛び出して子供に襲い掛かかいます。もちろん、脅かす程度に。子供は、初めて外に出ようとしたときにそんな目にあったのですから、もう怖がって外には出ません。
襲ってきたのが何なのか、他のオオカミなのか、親なのか、親だとしても巣穴から一歩出た瞬間に狂暴になってしまう習性に初めて気づいたのか、もうなんだかわかりません。
で、巣穴の奥の方でぶるぶる震えてこわがっている子供のオオカミに、タイミングを計って、そんなことなかったかのような穏やかな顔をした親オオカミが巣穴に入っていくのです。
…私の演出、脚色が入っていますが、大筋はこんな感じです。
すごいのはオオカミの親が、子供のよくない行動を引き出させておいて、矯正させている点です。これは、性悪説だと思います。「うちの子に限って、巣穴から出ないと信じます。」ではないんですね。
勝手に外に出ると、不快な刺激がある。だから、不快な刺激を避ける行動に出る(巣の中でいい子にしている)。
これは、第2法則にのっとっていると思います。
第2法則については、ネガティブトレーニングとか、負の強化とか、正の罰とかあるのですが、負の強化についてはいずれ書きます。
とにかく、このオオカミのエピソードは私には大いに印象に残っています。