阿蘇山噴火の翌日、草千里に行ってみました。
どうしても登ってみたくなり、予定を繰り上げて9月15日に草千里まで行ってきました。
知らない方の為に、阿蘇山というのは一つの大きな山ではなくて、ほぼ横並びに5つくっついた山(岳)の総称です。だから火山と言っても、マンガみたいに富士山をデフォルメしたようなきれいなピラミッド型ではありません。火口があるのは5つの山の一番高いところではないし、本来は火口の1キロ手前まで車で行ける観光地です。
ちなみにその5つの山をくっつけた大きさは、だいたい面積で山手線の内側と同じくらいです。
今日初めて見た火山博物館入口ののポスター資料によれば。
中央の赤っぽい部分が阿蘇山と呼ばれる部分ですね。これは本来、世界一のカルデラの大きさを表す比較図です。でも、こうして見るとカドリーも、周辺宿泊地も、カルデラ内で生活している人々も、山手線の外にいる距離です。だから地元の人は割と冷静なんですね(とはいえ、風向きで火山灰は飛んできます)。
火山博物館のある有料駐車場は、火口から約2キロ離れた地点です。有料なので、地元民が一人で車でぶらっと出かける場合、ほとんどスルーします。だから久しぶりに立ち寄るいいきっかけとなりました。
いつもの無料展望所から。下に見えるのが有料駐車場。
草千里に入るには、ここから歩くかの2択です。
展望所から見る噴煙は、思ったとおり力がない感じです。この一年くらい、噴火と言えばもっと勢いと迫力がありましたから。
次に、有料駐車場からの眺めです。
ここで行き止まりとなるので、普段よりも車が多いくらいです。
ただ、警察や自衛隊さんの車もちらほらありますし、普通車は取材の車も多いようです。
ちなみに、下は火山博物館の前に貼りだしてあった、9月14日のほぼ同じアングルの噴火の写真です。
ニュースでよく流れた写真ですね。
この一年、毎日噴煙を観察したり、ことあるごとに車で阿蘇山に登ってきました。
これは全く私という素人の勝手な感覚なのですが、やっぱり今回の火山活動はこれでいったん終了じゃないかと思うのです。
私のこの感覚を、どう例えたらよいのでしょう。
全く科学的な根拠はないのですが、イメージは、東京ドームが火山だとします。東京ドームは天井がテントの風船のようなものですよね。内部から風圧をかけていないとつぶれちゃいます。
その送風機に火山活動によって火山灰が混入したとします。さらに内圧が高まって、天井に穴があいちゃったのが噴火。すると穴のあいた風船のように勢いよく真上に噴火します。内圧が高まりすぎて噴火したのですから、最初はすごい勢いですが、内圧が減るにつれて徐々に勢いは弱まります。
しかし今度は、テントそのものが潰れていくので、時間をかけて「噴火」し続けます。
送風機は動き続けていますが、出て行く方が早いのでどんどんしぼみます。
最後の最後は、テントが自重で「ぶわさっ!」と地面にたたきつけられ、下に淀んでいた火山灰が風圧で噴出します。
その後はもう、送風機からの弱弱しい風が直接抜けていくだけ。
・・・なんとも強引ですが、そういうイメージをもたせられてしまうような噴煙の勢いなんですね。もう一つ考えられるとしたら、火口の穴が大きくなって、「フー」が「ハー」になった感じ。
でももちろん、山がしぼむわけではありませんし、私の不確かなイメージはこのくらいにしておきます。
ちなみに前回の投稿で、ある学者は火山活動の終盤だと言っていたような旨を書きましたが、いろんなネット情報を見すぎてどれがどれだか分らなくなっちゃったのでぼかして書きました。
もう一度調べなおしてみたら、気象庁の火山課火山対策官さんの話でした。
「今回の噴火は活動サイクル終盤のものとみられ、今後は活動が徐々に収束する可能性が高い」とのことでした。
ただし、これ以上の大規模噴火は考えづらいが、同程度の噴火が起こる可能性はあるので引き続き注意が必要とのことです。
そんな情報もあり、取材の人々も割りと冷静なようです。
どこかの地元TV局のレポーターさんが、「ここ草千里では、乗馬も通常営業しております。」とレポートしている声が聞こえてきました。
ここで私が乗馬を利用したら、絶対テレビに出れるだろうなと思いながら周辺を歩きました。
声をかけられなかったのは、私が地味なので乗馬施設で働くおっちゃんの一人と思われたからでしょう。
しかしまあ、ここの馬たち。
そろいもそろって、神様の御神体である火口におケツむけて。
ついでに。
・・・と思ったら、山の強烈な紫外線で布が白く退色していただけでした。
山の紫外線には気をつけましょう。